初めてだった。



杏里といて、こんなに充実感に浸れたのは。



4時にアラームをかけ、同じ布団で眠る。



腕枕をして、目が覚めてもそのまま。



「尚道、千里んとこ行ってくるね」

「俺、いていいの?」

「寝てていいよ。千里が尚道に会いたがってるから」

「ん、いってらっしゃい…」



目覚めは千里くん。



上に乗られてて、サッカーをせがむ。



「俺のユニフォーム着せちゃうからな~」

「尚道のユニフォームってなに?」

「こっちの話し。超がんばるよ、俺」

「尚道、がんばるの?」

「がんばる~!!」

「がんばれ~!!」



初めて千里くんを抱きしめた朝。



この子のパパになれるようにがんばる。



「朝ご飯だよ~」

「ママ~、尚道お泊まりしたぁ?」

「したよ。尚道は、ママの大事な人だから」

「大事な人?」

「千里もそのうちわかってくれる。でも、千里がいちばん大好きぃ~!!」

「ママ大好きぃ~!!」



まず、ガムシャラにがんばります!!