【ケント】



よっさんから仕事をもらい、ひたすらがんばった。



理由は夏休みだから。



「どんなところか楽しみです~」

「いいとこ」

「早く着かないかな~」



現在、よっさんから借りた車で実家の旅館に帰る途中。



この日のために金が欲しくて仕事をがんばった。



若菜と2泊して帰る予定。



お嬢のくせに、若菜の親はあっさり旅行を許可。



あまり堅苦しい家でもなさそうだ。



「ケントさん、ズット運転してて疲れません?」

「ん、平気。お前こそ、そんなに喋ってて疲れねぇのか?」

「正直、喉が渇きました」



じゃ、休憩。



高速に乗り、1時間半、やっと休憩を入れた。



飲み物を買って、車で飲む。



「今日も暑いですね~。溶けそうです」

「ダメだ。若菜が溶けたら困る」

「あははっ!!真顔でそういうこと言っちゃうケントさんがおかしい!!」



若菜がいなくなったら困るだろ…。



俺の気持ちの行き場がなくなるじゃねぇか。