次の日、制服に着替えて学校にやってきた。



陽と俺なんて、見るからに微妙な組み合わせなんだと思う。



「まず、話しわかるヤツにするか」

「誰?」

「ん~、ナッキー!!」



いちばん生徒からの信頼がある教師に声をかけた陽。



ナッキーこと、夏木先生。



音楽担当の20代後半で、理解のある大人として、みんなに好かれてる。



「何だよ、夏休みに朝比奈とか、ヤな予感すんだけど」

「そう言わずに相談に乗ってくれよ~。はい、冷たいウーロン茶」

「よし、生徒指導室に先行っとけ」



ワイロ、受け取っちゃったよ…。



そうとも知らないナッキーは、俺たちの待つ生徒指導室にやってきた。



ウーロン茶片手に。



「飲んだな」

「は!?」

「はい、決まり。ナッキー顧問ね」

「顧問…?」

「ダンス部の!!」

「ダンス部!?まさか部活作る気か!?」

「だから、ナッキーが顧問ね」

「俺には大事な軽音部が…」

「軽音部が活動すんの、文化祭前だけ。よし、決まり~」



陽って、結構使えるヤツだ。