初めて見た杏里の寝顔。



千里くんのだと思われる、小さなタオルケットを杏里にかけた。



一生懸命な杏里が好きだ。



頑張ってる杏里が好き。



千里くんを大事にしてる杏里が好き。



俺の背中を押してくれた杏里が好きだ…。



そっとキスすると、一瞬笑ったように見えた。



そんな杏里の隣で、テレビを見ながらケータイのアラームをセット。



いつしか俺もテーブルに顔を伏せて眠っていた。



「尚道、千里んとこ行くから」

「やべ~…、寝てた…」

「布団に寝て?隣の部屋に敷いてきた」

「睡魔に勝てね…」

「じゃあ行くね」



杏里が敷いてくれた布団に横になると、杏里の匂いに包まれた。



俺が千里くんにあげたサメが視界に入り、それを引き寄せて抱き枕。



そのまま意識は夢の中へ向かった。



「尚道ぃぃぃぃ!!朝ご飯だよ!!」

「んなぁ!?」

「サメ潰れる!!」

「千里くん…?」

「尚道、サッカーしに行こう!!」



朝から元気だな…。