きっかけとか、聞いたことなかった。



「入学してすぐ、陽ちゃんが友達と校庭で水遊びしてたの」

「それって俺が2年になってすぐ?」

「そうだよ。で、太陽みたいに笑う人がいる~って思ったら、髪も太陽みたいにキラキラしてて。友達から教えてもらったら名前が『陽』って言うから」



太陽か…。



俺はそんなにキラキラもしてないし、大きくもない。



「本当に太陽かと思った」

「ははっ!!なんだソレ~」

「絶対、あたしにあの笑顔を向けてもらうんだぁ~って、頑張ったの」

「頑張った結果出たじゃん」

「今でも信じられない。陽ちゃんのこと、あたしが独り占め」



カワイイ考え。



俺にはスミレみたいなフワフワしてるヤツが合ってるかも。



見てるだけで守ってやりたくなるし。



スミレの笑顔のためなら、何でも頑張れそう。



「俺、スミレのためなら死ねるかも」

「んなぁ!?」

「大好きだよ、チビ」

「チビって言わないでぇ~…」



もっと愛してあげる。