ラブハンター

その日は大学の後にバイトに行き、いつもと同じく楽しく働いた。



帰り道はやっぱり俺と杏里の時間。



「千里がね、すごく楽しみにしてる」

「俺も楽しみ」

「失礼なことしたらごめんね?」



母親の顔だ…。



未だに不思議に思う。



本当に4歳の息子がいるんだろうかって。



話だけ聞いてたら、まず信じない。



写メ見せられたから信じたようなもんで。



見た目には普通なんだけど。



「ちなみに、あたし…いつもと違うかもしれないけど…」

「どんな意味?」

「服とか、本当はちゃんとしたの着るから…」



それ、すげー楽しみだ…。



いつも代わり映えしないTシャツにパンツの杏里が、明日はどんな風になるのか。



「俺、いつもこんなだけど…」

「あははっ!!オシャレだよ、尚道」



流行りの服は着るけど、こだわりとかは特になく。



動きやすいのとか、好きだし…。



「じゃああたしこっちだから」

「ん、また明日」

「明日」



家に帰ってからクローゼットの中身と睨めっこ。