恥ずかしい…。



「寝る…」

「あっ、わかりました。最後に好きって言ってくださいよ」

「は…?」

「たまには聞きたいです」

「バカか」

「あたしは大好きですよ、ケントさんのこと」



顔が熱くて、陽みたいにニヤケる。



もし若菜が悪い女で、俺が騙されてるとしたら。



それでもいいと思ってしまうほど、若菜が好きで好きでたまらない。



「明日な」

「わかりました!!楽しみにしてます」

「しなくていい…」

「言ってくれなかったらマルちゃんの名前はフレディですから」

「お前っ!!」

「じゃ、おやすみなさ~い」



最近、この辺りじゃ敵もいないくらい怖がられてる俺。



そんな俺が勝てない唯一の人間。



それが若菜。



電話を切り、ため息。



「ニャ」

「来いよ、マル」



すり寄ってきたマルをベッドに乗せ、自分が笑ってることに気がつく。



今の充実感、このままアイツに翻弄され続けるのも悪くない。