猫にメシを食わせてから家に帰った。



明日も行ってやんなきゃ、腹減って死ぬかもしれない。



「猫飼う」

「はぁ!?」

「賛成しろ」

「誰が世話すんの?よっさん、いいって言った?」

「言った」

「じゃあいいんじゃね?」



陽にも悠大にもOKをもらった。



あとはこの人。



「起きてたのか、ケン」

「尚道、猫好きだよな?」

「猫?まぁ嫌いじゃないけど」

「飼う……」

「拾ったのか?優しいね、お前。ケンが責任持って世話するならいいんじゃん?」



こうして次の日、猫を連れてこようと公園に行った。



お前誰だよ…。



「うち来る?でもママ、猫嫌いなんだよねぇ~…。ん~、フワフワ~!!」



女子校の制服を着た女が猫を抱いていた。



ソイツは俺の。



「返せ」

「えっ!?あなたが飼ってくれるの?」

「…………」

「よかったね~。はい、かわいがってね?」



その日、その女の笑顔が忘れられなかった俺。



高校3年、恋の始まり。