【悠大】



レオ先輩と別れた斎藤は相変わらずひとり。



俺も俺で友達といる。



最近、表情に色が付いた気がする。



小説を読みながら笑ってたり、目が合うと故意にそらしたり。



「悠くん、斎藤さんのこと見すぎ~」

「えっ!?」

「全く想像つかないんだけど。ラブラブなの?」

「ラブラブ…。どうかな」

「教えてよ、ケチ悠くん」



友達の中には女もいる。



だけど斎藤はなにも言ってこないし、俺も友達は友達で。



変わったことと言えば…。



「次、病院いつ?」

「まだ先」

「そっか」

「今日ヒマ?」

「ヒ…マ…」



斎藤が照れること。



この時の斎藤は俺にはかわいくて仕方ない。



「どっか行く?」

「どこでも…」

「なら斎藤んち」

「イヤっ!!だ…。杉田んち…」

「決まり」



ふたりで遊ぶのは主に俺の部屋。



一緒に帰ると目立つらしく、注目を浴びる。



「悠大先輩ってレオ先輩から…」

「シッ!!聞こえるよ!!」



聞こえてる。



俺は気にしちゃいないけど、斎藤はすごく気にしてるんだと思う。