とにかく俺の悩みはひとつ減った。



遊園地とか、小さい子って喜ぶんじゃねぇかな~。



それとも動物園?



大学は当たり前のように上の空。



バイトでは気分が晴れたせいか、楽しく働けた。



帰り道はふたりの時間。



「千里くん、なに好き?」

「生き物好きだよ。虫とか魚とか」

「じゃ、デートは水族館で」

「そう言えば行きたいって言ってたなぁ~」

「楽しみにしとくから」

「本当に…いいの?」



今更遠慮?



俺は丸ごとの杏里を受け入れたいのに。



「愚問っつーの、それ」

「そっか…」

「で、張り切って休み合わせてきた俺、どう?」

「あははっ!!気が早いっ!!」



杏里、俺も一緒に頑張るから。



もっといろいろ話してくれたら嬉しい。



そして、いっぱい同じ時間を共有したい。



「杏里、たまには頼らせてあげる」

「…………たまにね?」



まずはベースでもやってみて。



過去から抜け出し、前に進んでみよう。