そんな俺はよっさんの仕事を手伝っている。



たまにだけど。



「ケン、この日頼む」

「ん」

「お前、最近楽しいか?」

「普通」

「恋でもしろよ~。たまには笑え」



笑ってねぇのは、楽しいことがないから。



よっさんは俺に恋をしろって言うけど、俺は誰からも好かれないだろう。



そんな相手、どこにもいないと思う。



「何でお前のよさに気づかないんだろうな」



何を見て言ってるんだよ。



親にだってそんなこと言われた記憶ねぇのに。



「よっさん、猫…飼っていい?」

「俺の一存では決めらんねぇな」

「早くしねぇと死ぬかも…」

「ほかのヤツらに聞いてみろ。じゃ、頼んだぞ」



ホームセンターで買った子猫用キャットフードを持って公園にやって来た。



トイレの陰にソイツはいる。



「ニャ…」

「メシ」



この前見つけたコイツにエサをやる。



丸っこくて小さくて…ほっとけない。



人間より、動物といる方が楽。