その日は閉店前に帰った。



気分が落ちたまま、全く見えない先。



「ただいまぁ」

「おぉ、早い」

「起きてたのか、お前ら」

「踊ってきた」

「悠大も!?」

「悠は見てただけ~。ヤバいよ、俺。もうすぐ悠大抜いちゃうからね」



脳天気な陽と、そんな陽に冷たい目をする悠大。



コイツらに悩みとかはあるんだろうか。



俺はマジで悩みまくってる。



杏里がさっぱりわからない。



「陽って悩みなさそうって言われね?」

「言われる」

「実際どうなの?お前、悩みある?」

「あっても、それ口に出したら自分がすげー落ちるから言わない」

「言ってスッキリすんじゃねぇの?」

「ん~…、俺ってたぶん、内にため込むタイプ。で、吹っ切れると元気になる?って感じ~」



納得。



陽は確かにそんな感じだ。



髪色変わらないことを祈るけど。



「悩みスか?」

「悠大は?悩んでる?」

「まぁ、それなりに」



悠大にも悩みあんのか。