好きな女なんか今までいなかったし。



近づいてきた女なんか、正直どうだっていい。



「ケンちゃん超カワイイ~。ピュアだね~」

「うるせぇ、陽。硬派って言え」

「悠大は?斎藤と…」



悠大って女いたのか。



知らなかった…。



「チュー…したい…」



ゆ、悠大っ?



お前、いつもそんなキャラじゃなくねぇか?



コイツ、カワイイな…。



「ただいま、よっさん、ビールでいいよな?」



帰ってきた尚道に絡んだのはもちろんよっさん。



ガシッと肩を組まれ、鬱陶しそう。



「お前は俺の仲間だよな、尚」

「はぁ?何が?」

「最後に女とヤったのいつ?」

「昨日…」

「「…………はぁ!?」」



いちばんまじめそうな尚道が!?



女の気配なんか全くない尚道が…。



「なっ、尚くん、いつの間に彼女できたの?」

「彼女じゃ…ねぇけど…」

「うわぁ~…。その歳で店行くくらいなら誰か紹介するって!!」

「店じゃねぇよ!!バカか。よっさん、腕重い」



誰も何も言えなくなった。