【陽】



信じらんねぇ…。



あのレオさんから悠大が女を奪った。



よっさんに謝りたいとかで、家にやってきた斎藤 ルカ。



ありえねぇ~…。



だってレオさん、この女だけは絶対離さなかった。



浮気なんか当たり前のようにしてたけど、いつも言ってた。



『アレ以上の女はいねぇ』



って。



だから周りも斎藤 ルカにだけは絶対関わろうとせず、美人だけど遠目に見てるだけ。



「あのさ…」

「なに?」

「円満に別れたの?」

「円満なら杉田がこんなケガしない」

「ですよね~!!おい、悠大、ちょっと…」



実は別れてねぇんじゃね?



悠大が浮気相手?



俺の部屋に連れてきた悠大は、まだ顔に痣が残ってる。



「ヤバいって!!レオさん、あの女だけは絶対離さない」

「ん、離したくなかったのかも。あの人、斎藤のこと好き過ぎて自分のこと制御できてなかったんじゃねぇかと思う」

「どんな意味?」

「だから離したんじゃねぇかなって。自分でもヤバいってわかってたのかな」



歪みすぎだ、レオさん…。