コレで斎藤も解放されたってことは一見落着?



「斎藤、俺の彼女でもやってみる?」

「ムリ…」

「なんでだよ。好きじゃねぇかもしんねぇけど大事にするし」

「杉田のこと、好きだけど…。彼女にはなれないっ…」



意味わかんねぇ。



おもむろに制服を脱ぎ出した斎藤に、訳が分からず慌てた。



「先に言っとく、好きでやったんじゃない。あたし、杉田の彼女にはなれない」

「お前っ…」

「和彫りじゃないだけマシ。腰にもある。こっちはレオの…名前が…」



斎藤の背中に羽根が生えてる。



片方だけの翼…。



自分の所有物とでも言いたかったんだろうか。



無意識に華奢な背中を抱きしめた。



「もういい、やめろ」

「だからあたしっ…もう誰とも…」

「すっげー大事にしてやるよ。俺、斎藤のこと好きらしいし」

「もうヤダよっ…バカ杉田ぁぁぁ!!」



斎藤の流した涙はうれし涙。



もう泣くなよ。



俺が守ってあげるから。



「わりぃ、限界…」

「杉田!?」

「久しぶりに動きすぎた…。いってぇ…」

「大丈夫?」

「ん、俺の彼女、やってみる?」

「う、うん…」



よし、俺の勝利。