【悠大】



親の都合で転勤ばかり繰り返してきた。



そしてついに、海外赴任が決まってしまい、俺だけ日本に残ることに。



そんな俺は今日からシェアハウスで生活する。



普通の一軒家。



家主はここに住む24歳の男らしい。



少し緊張しながら押したインターホン。



出てきたのは、くわえタバコで上半身裸のフェロモン男。



「お前、今日からのヤツ?」

「杉田 悠大です」

「俺が家主。まぁ、あがれ」



ワイルドでカッコイイと思った。



黒髪にキリッとした目がよく似合う。



中に進むと、リビングらしき場所。



対面式のキッチンと、大きなテレビを囲むようにソファーが置かれてて。



観葉植物とか、よくわからない置物。



かなりキレイにしてある。



そのリビングを真ん中に、右にドアが2つ。



左にも2つあった。



「俺の部屋は2階」

「そうですか」

「お前、尚道の隣の部屋だから」



尚道って誰だよ。



指さされたのは、右側のひとつの部屋。