ソウマは店の奥に、笑顔で移動した。

「ムリヤリとは何ですか? ボクとヒミカは結ばれる運命だっただけですよ。キミのように一方通行ではありません」

「ああ、そう言うの、ストーカーに多いよね。自覚が無いって、本当に厄介だ」

キシもハズミも笑みを崩さない。

だが、二人の周囲には暗雲が発生していた。

しかしふと、店の奥にいるソウマを二人の目が映した。

「何傍観しているんですか? ソウマさん」

「えっ? 私ですか?」

「ソウマさんはどっちが正しいと思う?」

「えっえ~っとですねぇ…」

急に振られ、ソウマは軽く焦った。

「と言うか、ソウマさんは今、恋人いないんですか?」

「私ですか? …まあそうですね。いないと言えば、いませんね」

「えっ!? じゃあ片思いの人はいるってこと?」

急に二人の目に、好奇心の光が宿った。

「えっ? ええっ?」

二人に詰め寄られ、ソウマは壁に背と手を付いた。