ユキのお父さんは、地元の病院で外科の先生をしている。

ユキが幼稚園に入った頃から、お父さんはあまり家に帰ってこなくなったらしい。

ユキのお兄ちゃんは、ユキより4歳上でしっかりした子供だった。

毎晩帰りの遅いお父さんを心配する母を傍で見ていたお兄ちゃんの不満はどんどん大きくなった。

小学校4年だったお兄ちゃんが、遅く帰ってきたお父さんに毎日どうして遅いのかと聞いた時だった。

酔っ払っていたお父さんが、お兄ちゃんを殴った。


お兄ちゃんは、病院に入院するほどの怪我を負った。