どくんどくん ~SPRING SNOW~

ケーキが運ばれてきた。

ケーキをほおばるユキも好き。


「ユキのお母さんってどんな人?」

「ん??お母さん?昔はすごくきれいだったって自分で言ってた。今はぷくぷくしてる。」

あのおばさんもきれいだった。

「へ~。ますます会いたいな。ダメ?」

「うん。ダメ!部屋も汚いし、来年くらいにね。」

来年・・・その言葉に嬉しさもあった。

ユキの未来予想図に、僕はちゃんといるんだ。

「じゃあ、明日うち来る?僕も部屋汚いけど。Hな本はベッドの下に隠しとくよ。」

「いいの~~??なんか部屋の中イカの匂いとかしそうだよね。ティッシュとか散らばってそう!」

「おいおい!ユキの中で僕ってどんなイメージだよ。」

「私の事考えて、ムラムラして変なことしてるイメージ!」

ユキの鼻をつまむ。

「まじで怒るぞ~~!自分の彼氏そんなエロ扱いしてさ~。」

「彼氏??なんかいいねその響き。」


また純粋なユキに戻る。


「僕は、ユキの彼氏だよ。彼氏以上かも知れない。
だから、なんでも話して。今までは、聞けなかったけど、ユキ、何か隠してない?」

ユキは、残ったケーキをツンツンしてる。

「聞いてる?悩み事あるなら僕に話してほしい。」



ユキの手が止まる。



「話して、どうなるの?」



ユキが遠くを見ながらこう言った。

こんなユキは初めてだ。