思い出したくない記憶をユキに話しているうちに、

心の中に長年たまっていたドロドロとしたものが溶けていくのがわかった。

ユキはずっと僕の手を握っていてくれた。



ギュっと。


もう、辺りは真っ暗になっていて、街灯の明かりだけが僕らを照らしていた。



さっきまでいた捨て猫も、もうどこかへ行ってしまった。