どくんどくん ~SPRING SNOW~

一瞬、頭の中でいろんなことを考えた。


しばらく、そのパンを持ったまま動けずにいた。

僕はそのパンをゆうじに返したかった。

ゆうじが優しい顔で、僕を見ていた。



いつもの笑顔で・・・。




「神宮寺!パスパス!」


その時、クラスの誰かから、僕に声がかかった。




僕は、自分を守ることを優先してしまったんだ。