ちょっと甘えた声のユキは、だんだん僕の「彼女」らしくなっていった。

『ハルの中学の写真が見たい。』

『いいよ。今度うち来る?部屋汚いけど、おかんも喜ぶよ。』

『うちに行っていいの?お母さんにも紹介してくれるの?でも、部屋に2人でいると、ハルはオオカミになっちゃいそう。』


『ははは・・・まあ否定はできないけど。』


こんなオープンな話できる彼女は僕の歴史上、初めてだった。

もしかしたら、ユキは経験があるのか・・・という不安も湧き上がる。


『ユキ、ユキの初めてのキスっていつ?』

こんなこと聞いてしまう女々しい僕をユキはどう思うだろうか。

『えっとね~、つい何日か前。すごくかっこいい男の子と夕焼けを見ながらキスしたの。』

ファーストキスだと言われて嬉しくない男はいないだろうが、真実かどうかはユキにしかわからないことである。

『へえ、そいつは幸せなやつだな!』

『ハルは?』

『僕も何日か前。すごく大好きな女の子と。こんなに好きになったの初めてなんだ。』

今までの恋愛は照れてこんなこと言えなかったんだ。

まあ、本当の恋ではなかっただけなのかも知れないけど、僕はユキには恋の駆け引きなんてものは必要ないって思える。