待ち合わせの場所を決めずにいたが、自然と前の待ち合わせ場所のわたり廊下でユキが待ってた。

こういう偶然をいつも、運命だって思ってしまう僕の悪い癖。

運命だって信じたい気持ちが大きすぎて、何でも結び付けて考える。

「昨日はごちそうさま。おごってもらっちゃってごめんね。」

「こっちこそ、ユキのおかげで楽しかったよ。」

「今日は、雨だと思ったから自転車じゃないんだ~。」

「おお~それなら二人乗りしてどっかいこっか。」

憧れの二人乗りは、嬉しいような寂しいような気分だ。

僕の肩に手を置くユキは、僕のこの心臓の音が聞こえていないだろう。

聞いたらびっくりするくらいに、僕の心臓はバクバクだ。

うしろにいるから表情が見えないことが寂しい。

もしかして、また泣いていたら・・と心配になる。