どくんどくん ~SPRING SNOW~

涙が溢れる。

「ハル・・また遊びに来ようね。」


僕らはいつものように、手をつないで坂道を下る。


これで、最後。



この制服を着て、この坂道をユキと帰るのは今日が最後。



時間は戻らない。



前を見て、歩き出すしかない。



僕はどこまでも青い空を見上げた。



強い風が吹いた。



桜の花びらに混じって、雪が舞う。




春の雪。



『ハルのユキ』