「早く~!ハル!電車行っちゃうよ。早く!!早く!!」

僕の手を引っ張るユキは、旅行かと思うくらいの大荷物。

ポニーテールって男にとっては、永遠の憧れ・・・。

早くも、僕の体は・・・熱くなってる。


電車は、残念ながら結構空いていた。

僕としては、ぎゅうぎゅう詰め状態を期待してたんだけど。


電車が揺れるたびに、僕のひじを掴むユキは、面会に行った時のお父さんの話をしてくれた。

「今日、ハルとデートだって話したら、よろしく言っててくれって。大のお気に入りみたい。」


お父さん・・・

ごめんなさい。


僕、今日ユキさんを抱いちゃいます・・・。



「お父さん、早く出てきたらいいのにな。そしたら、ユキの家に遊びに行きたいな。」

「絶対だよ。でも、私の部屋の床、結構響くんだ~。バレないかな?」

「あ~!そりゃバレるな。僕激しいもん。ユキも声でかいしな。」

「もう!ハルのエッチ!!」



こんな平和な会話をしながら、温泉に向かう。

ひっそりとした、静かな山の中。


この世に2人きりしかいないような気分になる。


「新婚旅行みたいだね。ドキドキしちゃう・・・。」