周りの目も気にせず、抱きしめた。


「ユキ、おかえり!!」


「ハル、ただいま。みんな見てるから恥ずかしいよ。」


ユキは少し、髪が伸びていてピンでとめた前髪がかわいかった。


「もう~!ユキ。びっくりした~~!嬉しいよ。いつから、こっちに?」

「今日転校してきた、春瀬ゆきです。なんてね。」


僕の退院の日に合わせて、ユキはこの高校に戻ってきた。

お母さんとお兄ちゃんと3人で、あの家でお父さんを待つんだって。

月に一度は、お父さんも家に帰れるんだって。

ユキの家族に光が差し込んでる。

やっとやっと、幸せになれるよ。ユキ、今までよく頑張ったね。


ユキと、またこの校舎で過ごせるんだ。

ニヤニヤしながら、一日を過ごした。

学校帰りにも病院へ行かなければならない僕。


デートはまだできないか・・。



「病院ついて行ってあげるね。だって、離れてたから、ずっと一緒にいたいもん。」

そう言って僕の腕にからみつく。 


ドキドキ。