昨日、ゆうじがお見舞いに来てくれたんだ。

水野さんと話をしたゆうじは、遠い目をしながら少し笑った。

「僕も、ちゃんとリハビリしてたら、歩けたのかな。僕、もう遅いのかな。」

その言葉に、僕も水野さんも一瞬目を伏せた。

水野さんは、大きく深呼吸をした。


「君の足は、治る。ハルっぺが立派な理学療法士になって君を治してくれる。だから、それまで僕について、頑張ってみるか。君の歌、聞いたよ。歌詞が泣けるし、メロディも切ない。ただ一つ、アドバイスするなら、ちょっとエロスが足りないな!」

水野さんはコーヒーを飲みながら、ゆうじへ優しい視線を向けた。


いつか、みんながゆうじの歌声に涙する日がくる。


その日、水野さんの提案で、病院の屋上でゆうじのミニライブをすることになった。

突然のことだったので、ユキは間に合わなかったが、シンやユミちゃんみんなが集まった。