どくんどくん ~SPRING SNOW~

「それを、早くユキさんに言ってあげてください。ユキさんすごく喜ぶと思います。」

「あの子は、待っていてくれるかな。何年かかるかわからないが、今までの分も家族に罪滅ぼしをしたい。もう、医師を辞めてしまうから、経済的には迷惑をかけるかもしれんが・・。」



ガタン!!!


病室のドアの方を見る。

ユキが立っていた。


「お父さん!!お父さん・・・おと・・・」


ユキが、お父さんの元に駆け寄った。

お父さんのひざに頭を置いて、泣いていた。

「ユキ、ごめんよ。父さん、本当に今までユキを苦しめてばかりいた。お前と向き合うことから逃げていた。許してもらえるなんて思ってない。でも、何か力になりたいんだ。」