僕にはそこが、悪魔の館のように見えた。



離したくなかった。


あのまま、手をひいてどこかに逃げたかった。


満月を見ながら、不安な気持ちで歩いた。


いろんな想像が頭をめぐって、どうやって家に帰ったか覚えていない。



その夜、何時になってもユキからの電話はなかった。