「ハル君、ギター貸してくれる?実は、転校してから学校行けなくて、ずっと家にいたからその間にギターの練習してたんだ。誰にも言ったことないんだけど、歌も大好きなんだ。今日の日の為に作った歌。」

シーンと静まり返る。




涙が出そうになった。

いつもいじめられてばかりだったゆうじが、今みんなの前で歌っている。


驚いた。

ゆうじの声は素晴らしい。

澄んでいて、どこまでも通る美しい歌声だ。




「・・・♪今にも~雪の降りそうなこんな夜~

 神様がくれた時間~

 もうこんな日は~来ないと思ってた~

 僕に笑顔をくれた君~ 

 君に捧ぐよ~メリークリスマス♪

 暖炉の暖かな温もりのよう~

 僕の凍えた心溶かし出す~

 自分の居場所があるってなんて素敵なんだろう~

 君の笑顔にメリークリスマス♪」