遅れてきたシンと仲良く話してるユミちゃんは、シンをどう思っているのだろうか。

「ケーキばりうま!」

シンが、乱暴にケーキを頬張るのを見て、僕はシンの頭を叩いた。

「もっと大事に食えよ。ユキが僕のために作ったのに。なぁ?」

「さぁ、どうかな?ゆうじ君のためかもね。」

ユキは、ゆうじの事をとても心配していた。
ゆうじを誘うことを提案したのもユキだった。

ゆうじと大野君は、ソファで何やら話している。初対面とは思えない二人は、兄弟のよう。ぁ。

この時は、この2人の出会いが、2人の人生を変えることになるなんて思いもしなかった。

「おなかいっぱいになっちゃったね~!」

「食べすぎだよな~俺達。ユミのお腹、妊娠何ヶ月?」

「もう!!!!シンのバカ!」

散らかったキッチンを片付けながら、幸せな時間が流れる。

「あの、ハル!僕、実はみんなに聞いてもらいたい歌があるんだけど・・・」

突然のゆうじの発言にみんな目を白黒させた。

「え?歌?ゆうじが歌うの?」

ゆうじと音楽が結びつかなかった。