僕は、真剣にユキと結婚したいと考えるようになっていた。
でも、結婚って簡単なものじゃない。

ユキに苦労はかけられないから、収入の安定した仕事をしなきゃいけない。
手に職をつけるしかないと思い、頭に浮かんだもの。

美容師・・・すし屋・・・


税理士・・


弁護士、政治家・・??



どれもぱっとしないし、自分の馬鹿さ加減に呆れる。

結局、僕は何もやりたいことがないだけなんだ。


今まで特に苦労もせずに平凡に生きてきた僕は、人生何とかなるさ的な甘い考えを持っていた。

なんとなく、この高校を選び、なんとなく入れそうな大学へ行くのか。

なんとなくの人生はおしまいにしよう。


だって、僕はなんとなくユキを選んだのではないのだから。

運命の相手をちゃんと見つけることができた僕は、きっと空を飛べるはずだ。

自信を持って、将来のことを考えていこうと決めた。