しばらく走っていたら、龍斗たちを見つけた。
まだ少し先を歩いている。
龍斗を探すために走って来たんだけど、追い掛けて話すことも、今呼び止めることもできない。
ただ、仲良さそうに喋っている2人にばれないように、後をつけるしかなかった。
「はぁっ…。何やってるんだろ、あたし…」
結構走ったせいか息は上がっていて、暑い。
体力があるとは言えないあたしにとっては、ちょっとキツイ。
でも、ここまで来て2人を見失うわけにはいかない。
「よしっ」
自分に気合いを入れ直し、尾行を開始した。
ここはまだ人通りが多く、ばれる可能性は低い。
だけどそのかわり、注意しないと見失ってしまう。
見つからないように、注意深く。
2つの事を同時にやるのは苦手だけど、今はそうは言ってられない。
