入学式の当日はとても晴れた日で、私たちの入学式をお祝いしてくれているようだった。

「えー、君たちは新しい生活が始まる訳だが、これから勉強やスポーツに励み。。。」

校長先生のくだらない話が長々と続いていた。

私の視線の先には、遠藤春。。

やっぱり彼の背中に羽がある。

周りを見渡して見ても、彼を見ている人はいない。

しかも、彼とは同じクラスだった。掲示板を見た時、誰かの策略なんじゃないかと思った。

直子は私や遠藤春と一緒のクラスじゃないのを残念がっていた。

「新入生、起立!!」

先生の掛け声で私たちは退場し、それぞれのクラスに別れた。

「えっと、担任の佐藤です。教科は国語を担当しています。みなさんの名前を早く覚えたいと思います。みんなもクラスメイトの名前を早く覚えましょうね。そこで、今から一人一人、自己紹介してもらいます。いいですね?」

クラスがザワザワし、周りからブーイングがおこった。
「そんなに恥ずかしがらないの(笑)じゃ右端からいこうかなぁ。」

端から順に自己紹介をしていく事になった。
みんな、仲良くなれそうな人達ばかりだ。

そして、遠藤春の番になった。

「遠藤春です。好きな事は、音楽を聴くこと。高校生活楽しみたいと思います。みなさん、よろしく。」

遠藤春の自己紹介が終わると、近くにいる女の子から、ヒソヒソと声が聞こえてきた。

「ねぇ、あの人かっこよくない??」

チラッと見るとギャルっぽい二人が話していた。

確かに顔はかっこいい。でも、彼女達にもあの羽は見えていない。

そんな事を考えているうちに、私の番になった。

「えっと、本多優美です。好きな事は、友達とカラオケに行って騒ぎまくることです!あと特技は、、天使の羽が見える事。。」

周りがシーンとなった。私はチラッと遠藤春を見た。
彼は驚いた顔をしていた。
あっ、やばい!私はなんてこと言ちゃったんだろう!
「なんてのは嘘で、、えーと。。天使みたいな優しい男性がタイプです!」

「?」

やばい!!入学初日なのに!
「もー!!ゆーみんおもしろすぎー!!」

後ろにいたギャル二人が笑いだした。

それにつられて周りのクラスメイトも笑いだした。