そう思ったけど、沖依君は更に階段を上る。


休息の部屋は2階…。
そこに行くわけじゃなかったんだ…。


それもそっか…。
沖依君、私には休息の部屋には入らないで欲しいって言ってたんだもんね…。


この上の階って、1年の時の文化祭でやってたお化け屋敷の時に一度行ったけど……


空き教室がいくつかあるだけ……だったよね…。



階段を上りきると、沖依君は奥の広い空き教室へと入った。


「この場所なら…ゆっくり話…出来ますよね…。俺も、最後に七瀬先輩ともう少し話…したかったんです。来週、転校するので…。」


最後…か……。
これがきっと、沖依君に鍵を返してもらうための、最後の時間になるんだ…。