カバンを持って教室を出ると、ついつい声に出して溜め息を漏らしてしまった。 あの写真のこと…… 匠先輩にまだ何も言ってないんだよね……。 どうしよう……。 今日……言おうかな…? 「あ!七瀬先輩じゃないですかっ!」 後ろからバタバタと走ってくる音に振り向いた瞬間、ギュッと誰かに抱き締められた。 「えっ!?あ…あのっ…」 私は、モゾモゾと動きながら顔を上げた。