久しぶり……というか、こんなに匠先輩にキスされたのって初めてかな…?


頭がポーッとする……。



「翠央、絶対に今の表情は他の奴に見せるなよ?」


真剣な眼差しにドキドキしながら、私は匠先輩に夢中になっていた。






だから…
気付かなかった…。


気付けなかったんだ…。



さっきの物音は、お化けのせいでも、留羽先輩が来たものでもなかったこと…。


そして…


匠先輩が閉めたはずの扉が…いつの間にか少し開けられていたことに……。