今日…匠先輩の誕生日だよね……。 もう一度…… もう一度、ちゃんと“おめでとう”って言いたいな…。 さっきみたいに、しどろもどろに言うんじゃなくて… 落ち着いて… とびきりの笑顔で…… 海を見ている先輩のすぐ後ろに立った私は、そっと、先輩の指に触れた。 「誕生日…おめでとう、匠…。」