「匠先輩の両サイドで笑っている人たちは…理事長さんたち…ですか?」 そう聞いてみたものの、頭の中には疑問符が浮かぶ。 理事長さんたち…なのかなぁ…? 10年以上前とはいえ、どう見ても別人な気がするんだよね……。 「いや、違うんだ…。この二人は……俺の本当の父さんと母さん…。」 え……? 本当のお父さんとお母さん…? 「あの……」 「二人とも死んだんだ…。」 匠先輩の寂しそうな悲しそうな…そんな声が私の中に響いてきた。