重い瞼に力を込めて
冷たい水でこじ開ける


陽の光を交わして
冷たい風を切りながら

ペダルをこいで
見慣れた道を通り抜ける




ドアを開けると


規則正しく並んだ机と

いつだって変わらず
そこに居座る黒板と


それから

代わり映えのない仲間の笑顔



真っ黒が自慢だったはずの
風になびく長い髪が白くなって


一気に駆け上がった坂道に
息が上がるようになって


それから初めて気付くんだ



当たり前の
あのツマラナイ毎日が

何よりも楽しい
刹那な日々だったんだと――




駆け足でオトナになろうと
必死になって

何かを守るタメに
誰かを切り捨てて


そんなバカな日常も

シワの増えたいつかは
きっと笑い話になる



この世の何よりも
早く過ぎ去る一週間に


6日笑って
1日泣いて

時々こらえて
強がって――



いつまでも離れられない
私を繋ぐこの風景が

だんだん擦り減って

色褪せた遠い日の
思い出になる前に


まだまだ忘れちゃいけない

大切なモノがあるよ――