小さな指切りで

瞳の奥に限りなく広がる
二人の未来を誓って


頬を寄せ合い
微笑みあったあの日



だけど望まなくても

確実に何かは
変わってゆくから



瞬きしている間に
消えてしまうから

永久と呼べるモノが
あるということを


私は知ってしまった




旅立つ君に

私ができることといえば


いつもの笑顔で

君の前で笑うこと――




先を歩いていく君に


君の大きな歩幅の
足跡が残る雪だけじゃ

少し寂しすぎるから



この白銀一色の景色に

真っ赤な花でも
添えてあげようか?




逢いたい逢えないと

恋しさに涙を零した夜も


もうすぐ逢えると

高鳴る鼓動を抑え切れずに
待ちわびた朝も



距離ゆえに感じる
特別な幸福だったのだと


今になってやっと気付いた




好きにすればいい

――君のしたいように


好きなところに行けばいい

――君の行きたいところへ



だけどいつか君が

懐かしいこの街を
そっと思い出す時があれば


私のことも一緒に
思い出してくれるといいな

と思うよ


ほんの少しだけでいいから――



私はもう少し

この場所で君との記憶を
守っていこうと思うんだ



――独りで