「とりあえず目を閉じてね」


突然立ちあがりそんなことを言う美優。


訳がわからないが、俺は逆らえる立場じゃないので黙ってそれに従うしかない。


ちょっと悔しいけど大人しく目を瞑ると、さらにその上から美優の手が当てられた。


これで完全に視界はシャットアウト。


こんなことをして、あいつは何をするんだろう?


美優の行動が読めなくて頭を抱えていると、ふいに唇に柔らかな感触が走った。


一瞬だけ触れるそれ。


目に当てられた手が退かれると、俺は目玉が飛び出るんじゃないかと思うくらい目を見開いた。


ま、まさか、もしかして……。


「なななな、なにしたんだよお前……」



語尾が震える。顔が焼けそうなくらい熱い。