ファイナルには中国大会二位・NHK杯優勝の大塚さんや、NHK杯二位・カナダ大会三位の羽生さんも出場したが、二人とも台に乗ることはなかった。


シーズン初戦から4Tを完璧に決めて、ハイスコアを安定した確立で出し続けた大介は、世界選手権の有力な金メダル候補に一気に名乗り出た。


潜在能力は凄く高かったけど、シニアに転向して二年目でここまで好成績を出すなんて本当に凄い。


やっぱ天才っているんだな~。なんてボヤいたらコーチに蹴られそうなので絶対口に出せないな。


世界選手権の枠は残り二つ。


大介を除くと、最大のライバルは大塚さんと羽生さんの二人。


この二人のどちらかに勝たなければ、代表に選ばれない。


とはいえ……。


「二人に勝てる気がしないなぁ」


日本のエースで昨シーズンの世界選手権銅メダリストの大塚さんに、二年連続GPF出場の羽生さん。


未だシニアでメダルなしの俺が勝てる要素は……ないかも。