「どーするか?」


練習場所のリンクはもう目の前だというのに、中に入る勇気がない。


もし美優がいたら絶対せがまれる。


下手すりゃ殴りかかってくるかもしれない。


まあ、元を辿れば俺がさっさとコレを手渡さないのがいけないのだけど。


だけど恥ずかしいじゃないか。


誕生日でもないのにプレゼントなんて、いくら幼馴染で妹みたいな存在である美優でも、なんか恥ずかしくてたまらない。


「どうかいませんように……」


神様仏様にお願いして、俺はスケートリンクに足を踏み入れた。






【氷の女王に口付けを】