一度終わったあたし達の場所。


変わらない渡り廊下、初めてヒカルを求めた時と同じ夏の夜空の下。


あたし達は、ただ繰り返しながら、抱き合った。


ヒカルの腕の力が強くて、苦しくて、涙が止まらなくて、あたしも一層力を込める。


ずっと、ずっと、埋まらなかった距離。


手を繋いでも、抱き合っても、キスをしても遠かったヒカル。


今、こんなにも近い。
ずっと遠かったのに、言葉ひとつで、こんなにも。


やっとわかったよ、ヒカル。


ずっと埋まらなかったあたし達の距離。


埋める為に必要だったのは、どんなに不確かでも消えてしまっても、それでも伝えなきゃいけなかった言葉だった。



「…あお、」


ヒカルは、あたしを抱き締めたまま呟いた。


「やっと、届いた」