不意に腕を捕まれて引力が働く。
呼吸をした時には、あたしはもうヒカルの腕の中にいた。
苦しくて、切なくて、ヒカルの腕が、全てが、涙に変わる。
「ヒ…カル」
「…何け、お前」
「ヒカル…」
「ええんけ?お前…彼氏とか、そんなん…」
「おらんもん。今更…何。別れたもん。ヒカルと、再会して、すぐ、別れた…もんっ」
「何け…まじかよ」
「…好き、じゃから。気付いたから。ヒカルしかおらん。おらんもん…」
ヒカルの腕の中、あたし達はまるで中学生の様な会話を繰り返した。
わかっていた。
気付いていた。
今更な話をしながら、ずっと、抱き続けていた想いの終着点をようやく知る。
ヒカルの腕の力が強まった。
「…取り消しなしじゃぞ」
耳元でヒカルが言う。
その声が、もうどうしようもなく、愛しい。
「…好き」
…それしか、なかった。



