あたしは、ただ泣くことしか出来なかった。

言葉が、出てこない。

「あお…なぁ、あお」

泣きじゃくるあたしの頭に手のひらを乗せて、ヒカルは優しく言った。

「俺は…もう、逃げんけぇ。お前に全部打ち明けて、それで、終わりにしようって思ったんよ。じゃけぇ今日呼び出した。お前がこの形を望んどるかはわからんけど…俺は、やっぱりお前と友達のままじゃおれんのじゃ。いつか…ほんとに崩れてまう前に…今日、終わらせようや」

ヒカルの手のひらが、あたしの髪を撫でる。
あたしは泣きながら、ただ泣きながら、押し潰されそうになっていることに気付いた。


自分の、今伝えるべき言葉が、押し寄せる。


「どんな形であれ手放さんっち言いよったんに…ごめんな。でも、俺はもう…」
「嫌」



…嫌だ。



「嫌…ヒカル、嫌」
「あお…」
「嫌だ。ヒカル…」


もう、わかってる。
自分が今、言うべき事は。

だからお願い。



「手放さんで…」



ヒカルの手が、止まった。


「放さんで、ヒカル。ずっと放さんで。だって…」


だって、あたしも。

あたしも。





「…好きじゃもん」