「あおの雰囲気にも合ってる店やし、綾いる時遊びに気てよ」

「いらっしゃいませぇ~って言ったげる」と、店員独特のトーンで言うから、あたしは思わず吹き出した。

「綾はいっこも変わらんっちゃね」

そんなあたし達を見て、由利が笑いながら言った。
由利と会うのも久しぶりだ。

「あおは見るたびに大人っぽくなりよるわぁ」
「老けてるってこと?」
「違うっちゃ!綺麗になりよるっち誉めよるんじゃ。ねぇ、田口」

笑いながら、由利は隣に向かって言った。
あたしが視線を向けると、黒髪の下の視線が動く。

田口。久しぶりだ。

「中学の頃よりはましな頭してるんじゃない?」

ふっと笑う口元は、昔と何ら変わりない。雰囲気は、やっぱり随分大人びていた。

「あの頃あお金髪やったけぇね~!」
「うそ、金髪じゃないじゃろ」
「いや、ほぼ金でしょ!綾と二人めっちゃ目立っちょったよねぇ」

そういえば、初めて染めたのも綾に言われたからだ。
中学一年の春。綾の家で黒髪から卒業した。鏡に映る自分が一気に大人になった錯覚を覚えた。