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大学生の季節の移り変わりは本当に早い。
特に就活をしているからか、三回の冬はあっという間に終わった。
結局地元にも帰らずに、気付けば四回生を迎えている。
ヒカルとは特に何が変わるわけでもなく、ただ毎日が過ぎていっていた。
「あー…何か楽しいことない~?」
麻美が膝を抱えて嘆いている。あたしはDVDを選びながら、「ここお店だから」とたしなめた。
「だってさぁ、四回生だよ?もう大学も終わりだよ?何でこんな普通なん?」
「普通が一番じゃん」
「もっと青春っぽいことしたい~!遊びたい~!彼氏欲しい~!」
「結局そこやん」、麻美の叫びを聞いて、笑いながら理名が的確な突っ込みを入れた。
「いいやん、彼氏作ったら」
「そんな簡単に出来たら誰も苦労しいひんわ」
「まぁまず今更出会いがないからねー」
「そう、出会いが…」
次の瞬間、麻美の言葉が止まって視線を感じた。
あたしはレンタルDVDから視線をはがし、麻美の方を向く。
期待に満ちた表情。やな予感。