心臓の真ん中が、苦しい程締め付けられる。
ヒカルの視線に。声に。全てに。
懐かしい、切ない痛み。
耐えられずに、あたしは視線を反らした。
夜の空気をそっと吸い込む。
体内に冷たい空気を循環させる。
変わり行く世界。
不変なんかないことも、嫌というほど実感してる。
なのにどうして痛みは、何一つ変わっていないのだろう。
「…あおは今、大学行きよるんやっけ」
少し声のトーンを変えて、ヒカルが言った。
一瞬何で知っているのだろうと思ったが、さとが言ったのだろうと気付く。
「うん。…そっちは?」
少しだけヒカルに視線を向けて、訊いた。
「中学卒業して…どうしとったん?」
ずっと聞きたかったこと。
あたし達の、空白の数年間。
少し遠くを見る素振りを見せて、ヒカルは落とす様に話し始めた。



